切子

江戸切子物語(クリスタル)



日本における切子細工は、江戸時代の終わり頃、加賀久がグラスの表面に彫刻で模様を細工したのが始まりです。しかし時の流れとともに江戸切子は、江戸の細工職人の知恵、薩摩切子廃絶に伴う技術の移転、そしてイギリスのカットグラス技術等が融合していったものと考えられます。

江戸切子の原材料は2種類あります。
輝きがあり、カットしやすいクリスタルガラスと、比較的安価なソーダ石灰ガラスです。

クリスタルはカッティングしたとき、キラキラと輝きずっしりとした重量感があります。
製品に豪華な風格が漂い、高級な感じになります。
製品としては、花器や灰皿、グラスに多く使われます。
江戸切子の文様としては、矢来・菊・麻の葉模様など着物にも見られる身近な和の文様を繊細に描いているのも特徴です。

ソーダ石灰は日常使っているグラスやガラス鉢に多く使われています。
この上に表面だけ薄く着色して切子にしますと、細工をした部分だけが透明になり、模様がくっきりと浮かび上がります。
清涼感や美しさを遺憾なく発揮します。
現在は、当初からの素材であるクリスタルよりも色被せを素材に用いたものが切子らしいイメージとして捉えられており、多く生産されています。

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